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20歳で看護師の資格を取得し、20年近くの間を看護師として生きて来ました。

 

看護師として経験した中で、家に帰りたい思いと自宅で過ごす不安、家に帰るための手段がわからない、ご家族様も自宅での介護が不安で受け入れられないなどの理由により、長期間入院生活を送られる患者様が大勢いらっしゃいました。

 

病院でも患者様一人ひとりの要望を聞き入れ、個別性を持った看護を目標にしていましたが、時間に追われゆっくりと患者様の声に耳を傾けることが難しい状況でした。

ガン末期で不安を抱えている患者様、疾患を患っているお子様を看病されているご家族の不安や少しでも一緒に過ごす時間が欲しい、という思いを聞いてもどうすることも出来なかった自分に歯がゆい思いをしてきました。

 

現在、訪問看護という言葉も少しずつ知られるようになってきました。

「最後は自宅で過ごしたい」、「病気はあるけれど自分らしく人生を歩んで行きたい」との思いを持たれている方も大勢いらっしゃると思います。

私はそのような思いを持たれている患者様の不安を少しでも軽減し、自宅に帰り、日常を送るお手伝いが出来たらとの思いを持って、訪問看護ステーションを設立することにしました。

 

与えられた時間でご利用者様の思いや不安を傾聴し、少しでも安心して自宅で過ごしていただければと思っております。

また、専門職として少しでもご家族様に介護への不安、負担の軽減にお力添えできたらと思っております。

 

                  2015年 代表取締役 兼 管理者 松村 久美 

 

 

疾患を抱えていても

 「自分らしい人生の選択がしたい」

   そんな想いのお手伝いが出来ることを望んでいます。

 

 

「いつまでも健康に過ごしたい」

      私達、訪問看護師はそんな思いや希望を実現するために、

            お手伝いや環境を整えさせていただきます。

 

私の父がガンで亡くなってから12年が経ちました。最期に「痛い」と言ったのか「帰りたい」と言ったのか、もう定かではありませんが、肺転移で癒着した痛みを最期まで訴え、家に帰りたがっていた父に対して何もできなかった後悔が今でも残ります。

 

がんによる痛みも呼吸苦も麻薬などを適切に使用すれば緩和できます。

 

団塊の世代が75歳以上となる2025年に向けて、在宅医療を推進する動きが高まっています。

 

在宅医療にはたくさんの職種が関わっています。

病院の医師、病棟や外来の看護師、地域医療連携室、往診医、薬剤師、栄養士、リハビリ、ケアマネージャー、介護福祉用具、ヘルパー、デイサービスやショートステイ、訪問入浴、みんながチームとなって協力し合える環境を整えることが大切だと思っています。

 

緊急時の対応や支えてくれる家族の負担を考えると、家での生活が不安になることもあります。でも、必要な支援を必要な時に提供できる環境があれば、最期まで安心して自宅で過ごすことは可能です。

 

最期まで家にいたいと思っていても、途中でやっぱり病院やホスピスで過ごしたら安心だなと考えが変わったり、逆に病院やホスピスがいいと思っていたけど、最期は家に帰りたいと思い直したとしても、その都度、希望が叶えられるよう手配します。

 

ナイチンゲールは「看護覚書き」の中で、看護の本質を150年以上も前から記しています。

 

「看護がなすべきこと、それは自然が患者に働きかけるのに最も良い状態に患者を置くことである。」

 

「看護とは、新鮮な空気、陽光、暖かさ、清潔さ、静かさなどを適切に整え、これらを活かして用いること、また食事内容を適切に選択し適切に与えること、こういったことのすべてを患者の生命力の消耗を最小にするように整えること、を意味すべきである。」

 

つまり、看護とはその人の自然治癒力がいちばん発揮できる、ベストな状態に生活を整えることであると言っています。看護の基本精神であるこの思いを引き継ぎ、

少しでもお手伝いができたら嬉しいです。

 

2015年 柴 絢子   

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